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「行動着:雨対策は肌面から」(Vol.17)

四季があり、湿潤な日本の山岳気候。 不安定な春山、梅雨の長雨、夏の雷雨、そして秋の台風・・・。
あらためて無雪期の日本の雨の多さがわかります。もちろん全てが嵐のような風雨とは限りません。また雨と出会うのが森林限界下か稜線上かでその影響も変わります。どのような雨であれ、対策の基本となるのは「肌を濡らさない」ということです。
ここでは「肌を」という点が重要です。衣類が濡れて困るのは、それが肌を濡らしてしまうこと。濡れた肌が乾くときに体温が奪われることは前稿でも述べました。極論をいえば、衣類が濡れても肌が濡れなければ危機的な体温低下はおこりにくいといえるのです。(注1)
こうした視点で雨対策を再考してみましょう。。

○肌を濡らさないためには・・・撥水ベースレイヤー
雨対策として思い浮かぶのはレインジャケット&スーツ、ポンチョ、ケープ。これらは「外からの濡れ」に対しては等しく効果的なアウターといえます。そして「内側からの蒸れ、濡れ」に対しても、防水透湿素材の採用や、換気などでできる限りの対処をしています。しかしこれらをもってしても内側の蒸れ、濡れをゼロにすることはできません。雨具の進化はこの内側の蒸れ、濡れをどう解決するかの歴史といえます。全ての汗を素早く完全に排出することが不可能であるならば、その水分を肌に近づけないようにすればよい。この機能をはたすのが「撥水ベースレイヤー」(注2)です。雨具だけで対応できない部分は他の衣類に対応させる。肌を濡らさないためには、雨具だけではなく肌に一番近いベースレイヤーも重要になるのです。雨対策をこの両者のコンビネーションで考えれば、選択の幅も今まで以上にひろがります。(注3)

○レインポンチョ&レインケープ
ウルトラライトスタイルの象徴ともいえるポンチョ。雨具としてだけでなく、タープ、ザックカバー、グラウンドシート、スリーピングバッグカバーなどその汎用性の高さと軽さとのバランスが最大のメリットです。
 重量250gクラス INTEGRAL DESIGNSシルポンチョ等のポンチョタイプ
 重量150gクラス INTEGRAL DESIGNSシルケープ等のケープタイプ

汎用性とはいいつつ、雨天の際にポンチョとして使用しながらタープとして設営する、というのは現実的ではありません。最終的に雨具を何かひとつという方、アジアを旅する旅人、サバイバル志向の強い方などには究極の雨具ともいえますが、欧米人に比べると平均身長が低い日本のハイカーにはケープの方が使いやすいでしょう。シェルターは別に用意する前提で考えれば、軽さと適度な汎用性はケープの大きな魅力です。
6月下旬から9月下旬まで、森林限界下での行程が多い、1日の行動時間が少ない、などの状況ならばポンチョ、ケープの積極的な利用は自然をダイレクトに感じる上でも興味深いものです。

○レインジャケット、レインスーツ
GORETEXをはじめとする防水透湿素材の登場は、汗による蒸れと濡れを最小限に抑えられる点でそれ以前の雨具から機能を大きく向上させました。さらに着用時の保温力が高いので、天候が荒れたときのプロテクションとしては雨具の中でも頭ひとつ抜けた安心感を誇ります。森林限界を超えた稜線上を数日にわたって歩く場合や、雪の残る5〜6月上旬、冠雪も予想される10月下旬以降などは、レインジャケットの選択が適した状況だといえます。
 重量350gクラス GOLITEファントムJKT等、GOREパックライトシェルの平均重量
 重量300gクラス mont-bellストームクルーザージャケットの重量(基準)
 重量200gクラス ORジーロットJKT等、GOREパックライトシェルの最軽量クラス
定番といえるストームクルーザージャケットの310g(注4)を基準とすると、ピットジップなどのハードシェル要素が強いオールシーズンモデルはやや重量が増しています。一方、200g前後の超軽量クラスはとにかく軽さ最優先。使い勝手のための細かい工夫は簡略、省略される傾向にありますが、ポンチョなみの軽さを誇ります。雨対策としては平均値が非常に高いレインジャケット&スーツ。選択のポイントはオールシーズン性を求めるか否かといえます。

ウルトラライトな雨対策の基本とは・・・
「肌面をドライに保つベースレイヤーとの組み合わせで考える」

注1) 体温維持という点だけに焦点をあわせた極論です。衣類が濡れることでハイキング中の雑事、ストレスが増えるのはやはり懸命ではありません。

注2) 前稿および、メーカーサイト参照。また2008年5月24日には関東圏では初と思われる、ファイントラックによるユーザー向け講習会が開かれます。詳細は以下 http://www.odbox.com/outdoor/event-date/shibuya02/index.html

注3) 傘、ウインドジャケット、撥水力の強いパンツなども選択肢に入ります。。

注4) ジャケットのみの重量となります。スーツ全体としてはパンツ重量として200〜250g程度を追加して考える必要があります。また下半身はパンツではなく、チャップスを採用して更に軽量化を計ることもできます。

 
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