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「システムで考える〜クッキング編(前編)〜」(Vol.12)

ハイカーの重装備ビッグ3「バックパック」「シェルター」「スリーピングバッグ」の軽量化を数値目標も含め考えてみました。しかしウルトラライトスタイルを実践するにあたって実は最も効果的なのがクッキングシステムの軽量化なのです。オーバーナイトハイキングのみならず、デイハイキングでも使用するストーブとクッカーは、使用頻度でいえばハイカーにとってもっとも馴染み深い装備といえるでしょう。そしてウルトラライトスタイルにおいて最も劇的に装備が変わり、軽量化&コンパクト化できるのもこれらの装備なのです。

○何を作るか?何に使うか?
クッキングシステムの主要アイテムは「ストーブ」「クッカー」です。軽量化の前にまず以下のことを考えてみましょう。

1)何を作るか?
米を炊きますか?パスタを茹でますか?炒め物は?このように山でもある程度の調理をしたいという場合と、山ではフリーズドライで簡単にすましたいという場合では、必要な火力が異なります。「調理する」のか「湯沸し」に使うのかで大きく装備は変わります。

2)何に使うか?
食事以外にクッキングシステムを使う場面とは何でしょう。雪山での水づくりがその最もたるものです。残雪が残る初夏の山で水場が雪渓に埋まっているときなども水づくりが必要になるかもしれません。雪を溶かすにはそれなりの火力とクッカーの容量が必要です。

3)外気温と人数
外気温が低ければ湯を沸かす際に必要な火力は大きくなります。ひとり分の食事と2,3人分の食事とでは必要な火力、クッカーのサイズは異なるものが必要になります。

食事は栄養摂取だけでなく、体内で熱量を発生させ寒さをしのぐための重要な行為でもあります。やみくもな軽量化をはかるまえに自分は食事に何を求めているのか?また食事を作るにあたって必要最低限の機能は何かを考えてみることが重要です。

○ウルトラライトスタイルでの前提
以上をふまえ、ウルトラライトハイキングでの前提となるのは
−無雪期(5月下旬〜10月上旬)、最低気温は3〜5℃前後まで
−水づくりは想定しない(注1)
−食事はフリーズドライ
−ひとり分の用意ができればよい
→最低200ccの水を沸騰させられること
これがストーブ、クッカーを考える上での必要最低限の前提となります。
煮詰めることなく熱湯を注ぐだけで作れるフリーズドライ(注2)なら必要なのは160〜200ccの熱湯です。粉末スープやフリーズドライスープ、コーヒー1杯分に必要な量も約200ccです。
主食、スープ、コーヒーという組み合わせの暖かい食事をとる場合は
200cc×3=600cc
1人1食につきこれだけの水を沸騰させられればよいのです。一度ではなく、3回に分ければ200ccずつ、これに必要な装備が何かを考えてみましょう。

次回は中編、ストーブとクッカーを具体的に考えてみます。

注1)今回は水づくりを念頭におきませんが、初夏の東北などでは水場が雪渓に埋まっているということもあります。地域によって事前の情報収集が重要です。筆者の実体験では2007年6月中旬の東北朝日連峰では水場が雪渓下に埋まっていました。
注2)アメリカのドライフードでは大半がこのタイプ。日本国内で手に入るものでは尾西食品のシリーズが代表的。

 
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