「システムで考える〜スリーピング編 (3)マット類〜」(Vol.11)

就寝時の防寒対策のポイントとして、背面側にあたるマットが重要になってくることは前回述べました。マットの選択はスリーピングバッグの選択にも影響を与えます。
優先順位を低く考えられがちなマットですが、実は「長さ」「厚み」「素材」に様々なバリエーションがあり、季節、場所に応じて使い分けることができるのです。
平均重量でスリーピングバッグよりも軽いマット、このマットで温度調節をおこなうという発想をもつことは軽量化の視点からも有効だといえるでしょう。
| 簡易チャート(注1) |
| 全長/重量 |
200g〜 |
300g〜 |
400g〜 |
500g〜 |
600g〜 |
700g〜 |
| 90cm |
UL |
LW |
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| 120cm |
UL |
LW |
LW |
WT |
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| 160cm |
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WT |
WT |
WT |
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| 180cm |
UL |
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WT |
WT |
WT |
WT |
| UL)ウルトラライト(軽量性重視モデル)200〜300g程度 |
| オープンセル: |
Insalmat イーバーライト[250g/90cm] |
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mont-bell ULコンフォートマット90[290g/90cm] |
| クローズドセル: |
Cascade Design リッジレストS[260g/120cm] |
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Cascade Design ZライトS[310g/120cm] |
| LW)ライトウェイト(定番モデル) 400g前後 |
| オープンセル: |
Cascade Design プロライト3S[370g/120cm] |
| クローズドセル: |
mont-bell ULコンフォートマット120[360g/120cm]
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Insalmat イーサーサーモ6S[420g/120cm] |
| WT)フォール&ウインター(断熱&保温性重視モデル)400〜800g程度 |
| オープンセル: |
Exped ダウンマット7S[580g/120cm] |
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Insalmat イーサーサーモ6R[600g/180cm] |
| クローズドセル: |
Cascade Design リッジレストR[400g/180cm] |
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Cascade Design ZライトR[440g/180cm] |
○オープンセルとクローズドセル
マットを考える上でポイントになるのが、主要な素材であるウレタンの特性です。これは「クローズドセル」と「オープンセル」の2タイプに大きく分けて考えることができます。クローズドセル(注2)はウレタン中の気泡がそれぞれ独立しており、高い断熱性をもっていることが特徴です。それに対してオープンセルはウレタン中の気泡が連動しており気泡内の空気をウレタン外に排出することで高い収縮性をもっています(注3)。しかし、オープンセルは空気の対流がおこりやすく、クローズドセルに比べ断熱効果が低いのが難点です。そこで現在はウレタンの変わりに空気の対流がおこりにくい化繊綿やダウンなどを断熱材として封入したタイプが新たに注目をあびています(注4)。
−5月下旬〜10月上旬(最適気温5℃前後):軽量性に富むクローズドセルタイプ
−10月中旬〜5月上旬(最低気温0℃以下):断熱性に富む化繊綿・ダウン封入タイプ
というような使い分けも効果的ではないでしょうか。
○ マットの長さ
無雪期のウルトラライトスタイルならば、まず90〜120cmを基本で考えましょう。必要最低限の長さ、これが軽量化に最も有効です。5月下旬から10月上旬の標高2000m地帯ならば、平均気温で10℃程度、最低気温で3〜5℃程度(注5)なので対応できると思います。しかしこの時期を外れると最低気温が0℃以下に下がりますので、地面との熱対流を抑える意味でも160cm以上の長さのマットが有効になってきます。
足元の防寒対策は寒くなるほど重要です。パッドが入っていないULスタイルのバックパックでは断熱材の役目は果たしませんのでマットの替りにはなりません。冷え込みが予想されるときは潔くマットを長くするなどの対策が必要です。寒さで眠れないときはだいたいが地面からの冷えで眠れないものです。
ウルトラライトなスリーピングシステム(マット類)とは・・・
「重量200〜300g、全長90〜120cmが目安、200g・90cmを目指してみよう」
「クローズドセルマットなら不要な部分を切り取ることで更なる軽量化」
「温度調整はマットでおこなう、防寒対策はまずマットの長さから」
次回からはクッキング編です。
注1)国内流通している主要メーカーのマットのデータを参考に作成しています。
注2)いわゆる銀マットに代表されるロールタイプのマットになります。
注3)Cascade Design社Therm-A-restシリーズに代表される自立膨張式マット。オープンセルのウレタンをナイロンで包み込む構造がマットに革新をおこしました。
注4) ウレタンを採用していないので厳密にはオープンセルとはいえませんが、マットの構造的には近いモデルとして認識してよいでしょう。通常のウレタンよりも重量はかさみますが、高い断熱&保温性能から冬季用マットとして効果的です。
注5) 雲取山(2017m・東京都)の平均気温を参考にしたものです。地域によって差がありますのでご注意下さい。
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