「システムで考える〜スリーピング編 (1)テント類〜」(Vol.09)
寝るときに使うテント、スリーピングバッグ、マット、これらの装備はオーバーナイトで自然を楽しむために必要不可欠な装備です。暗く寒い夜、一息つける空間を生みだす重要な道具ではありますが、ハイキングの最中はその大半をバックパックの中で過ごし、夜にならないと出番が訪れないのも確かです。装備重量をウルトラライトにするにあたって、最初のポイントがこのスリーピングシステム(テント類、スリーピングバッグ類、マット類)の軽量化なのです。
○重量
−ライトウェイト 2.0kg〜3.0kg
−ウルトラライト 1.0kg〜2.0kg(1.5kg前後が適当)
無雪期の場合、野営道具全てでこの重量を目標値にしてみましょう。現在の装備ならばライトウェイトカテゴリーは問題なくクリアーできるはずです。例えば・・・
「ARAI トレックライズ0[1,260g]」
「ISUKA エアー280[550g]」
「Therm-A-rest プロライト3ショート[370g]」 合計2,180g
ペグやグランドシート、テントマットなどを加えても2500g程度に収まるはずです。
これが現代の「軽さ」のスタンダードです。ではウルトラライトな装備を見てみましょう。
○テント類
スリーピングシステム軽量化の最重要課題です。ここでは形状で4つに分類して考えます。
1.テント 1200g〜1500g
2.シェルター 200g〜900g
3.ビビィサック 600g〜1200g
4.ハンモックシェルター 700g〜1000g
- はいわゆる床があり、フレームが必要なタイプ。日本では自立式ドームタイプが主流です。床付きで閉鎖空間が作れるため、最も快適ではありますが、最も重たくなるのも事実です。また閉鎖空間となるため、「換気」を重視して生地や構造を考えねばなりません。軽量な日本のソロ用山岳テントでも1300gが最軽量クラスとなります。
- .床無しタイプを総称させます。フレーム無しでも設営可能というのもポイントです。ツェルト、タープはもちろん、ワンポールテントをフライシートのみで使用する場合も含まれます。最もバリエーションが豊富で、使用方法にも工夫しがいがあるのですが、@に比べるとベテラン向きと考えられてしまうのが残念なところです。重量については圧倒的なアドバンテージがあります。日本のツェルトなら300gクラスと実は永年日本のフィールドで愛されてきたウルトラライトな道具なのです。日本のハイキングシーンでは「緊急用」という位置づけですが、沢登り、渓流釣り、アルパインクライミングでは通常の野営装備です。もっと積極意的にオーバーナイトハイキングに利用したいものです。
- .寝袋のみを覆えるサイズで、かつ内部では寝ることしかできないタイプ。シュラフカバーもこれに含まれます。最大の特徴は設営場所を選ばず、目立たないという点です。しかし生活スペースが無いことや雨天時の使用を考えると単体では使いにくい面もあります。またほとんどのモデルが防水透湿素材を使用しているため、重量もそれほど軽くありません。
- .ここ数年の新機軸がHENNESY HAMMOCKに代表されるハンモックシェルター。森林限界下なら下地を気にせずどこにでも設営できるのが大きな魅力です。湿潤で雨の多い日本のフィールドを考えると、可能性は非常に高いはずです。タープとハンモックを組み合わせているので、タープシェルターの進化版ともいえそうです。重量も700gクラスのモデルがでています。
ウルトラライトなスリーピングシステムを考える場合、どんな形状を選択するにせよ、テント類の重量は500g〜1000gの範囲におさえたいところです。「軽さ」を重視する以上、使い勝手に関しては自らで工夫をするしかありません。それもまた楽しみのひとつとして考えてはいかがでしょうか。
ウルトラライトなスリーピングシステム(テント類)とは・・・
「重量1000g以下は基本の目安、500g以下を目指してみよう。」
「日本の伝統的ULシェルター、ツェルトを見直そう。」
「雨天時、荒天時は森林限界下に逃げるのがセオリー、非難小屋などの積極的利用も視野に。」
「自然と遮断された快適さより、自然を感じられる不便さを選ぼう」
次回はスリーピング編(2)スリーピングバッグ類です。 |