「システムで考える〜キャリング編〜」(Vol.08)
ハイキング装備で最も目立つものといえば、バックパックです。特にウルトラライトスタイルでは、パッドや雨蓋を省いたシンプルかつコンパクトなバックパックが用いられることが多く、その独特のスタイルが人目を引きます。そんなウルトラライトスタイルのシンボルともいえるバックパックの軽量化を考えてみましょう。
○重量
−ライトウェイトパック 1.5kg以下、1.0kg前後が適当
−ウルトラライトパック 1.0kg以下、0.5kg前後が適当
容量40〜50Lでこの重量が目安になります。バックパック軽量化の傾向で、メーカー各社ともライトウェイトに相当するバックパックが最近は充実しています。その一方、ウルトラライトに相当するバックパックは非常に限られています。その理由は以下に述べる対荷重の問題が一番大きいと思われます。
○対荷重
−ライトウェイトパック 約14kg(装備9kg+食料他5kg)目安
−ウルトラライトパック 約9kg(装備5kg+食料他4kg)目安
バックパック軽量化のポイントは「省略&簡略」です。忘れてはならないのは、これらの作業は確実にバックパックの強度を低下させるという事実です。ウルトラライトパックは軽いものを背負うためのパックなのです。対荷重からもベースウェイト4〜5kgを前提としてつくられているのが良くわかります。つまりウルトラライトパックはそれ単体で完結するのではなく、装備全体が軽量化されてはじめて有効に使用できる(注1)ものなのです。装備重量が基準を超えれば壊れる可能性が高くなります。これが「バックパックは丈夫で壊れないもの」という従来の命題と矛盾するため、現段階では市販品の選択肢が少なくなる(注2)大きな理由なのです。
軽量化の大前提である重量と対荷重の関係をおさえたうえで、
ウルトラライトパックの特徴をみてみましょう。
1.雨蓋無し−大きく深いサイドポケットなどで代用
2.フレームの省略−使用するスリーピングマットを入れて代用(注1)
3.パッドの省略−使用するスリーピングマットを入れて代用
4.生地の軽量化−シルナイロン、スペクトラナイロン、スピンネイカー採用
5.ベルト類の簡略化−ナイロンテープのみのウェストベルト、もしくは省略
6.調整システムの省略
日本市場で入手できる現行モデルとしては、「JAM2(GOLITE)」「VARGA(INTEGRAL DESIGNS)」などがこれに相当します。またこうしたモデルを購入しなくても、1,2,3,5については自分で市販品に手をくわえることで対応できるでしょう(注3)。ある意味、昔のキスリングに先祖がえりしているかのようなシンプルなバックパックであることがポイントです。
ウルトラライトなバックパックとは・・・・
「バックパックは1.0kg以下が目安、0.5kgを目指してみよう。」
「装備全体の軽量化が大前提、バックパックの軽量化は最後でOK」
注1)中に入れる装備の軽量化が前提でることや、スリーピングマットをフレーム&パッドがわりにすることなどに、他装備との関係性が顕著にあらわれています。
注2)これは一般流通経路にのる大手メーカー製品についての現状です。ガレージブランドには各種ウルトラライトパックが存在します。
注3)市販品へ手を加えることはあくまでも自己責任となります。 |